2008 Fiscal Year Annual Research Report
最密充填(GCP)金属間化合物Co3Xの相安定性に関する研究
Project/Area Number |
19860013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 俊洋 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (60451530)
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Keywords | 相安定性 / 金属間化合物 / Co合金 / 状態図 / GCP相 |
Research Abstract |
本研究は、Co基合金の金属間化合物Co_3X型GCP相を中心とした相安定性に関する研究を行うことを目的とし、本年度の成果は以下の通りである。 (1) Co-W-Ga系において種々温度における組織の時間変化を観察し、L1_2構造γ'相やDO_<19>構造χ相を中心とした相安定性を評価した。少なくとも900℃においてγ'相は準安定であり、平衡相であるχ相が粒界反応により出現し最終的には全面を覆うようになった。さらに、準安定γ'相の組成を決定し、実験的に900℃〜1200℃におけるCo側の平衡状態図の決定を行った。Co側はγ相(Al構造)、χ相、β相(B2構造)、μ相(Co_7W_6)から構成されていた。 (2) 従来のCo-Ta2元系の相平衡データは不確実な部分を含んでいるが、基礎的にも工業的にも重要な系であることから、合金法と拡散対法によるEPMAを用いた組成分析およびDSCにより相平衡を決定した。さらに、CALPHAD法による熱力学解析を行い、計算により状態図を再現することができた。 (3) Co-Al、Co-Ta各2元系にはγ'相が存在するが準安定であり、容易に平衡相へと変化してしまう。そこで、Co-Al-Ta3元系におけるγ'相の安定性を評価した。Co_3Taの準安定γ'相はAl添加により安定性が高くなることがわかったが、いずれも準安定相であった。また、1000℃、1200℃のCo側の状態図を決定した。 (4) Co-W-Ga、Co-W-Ge、Co-W-Ta、Co-Mo-Ta系における室温の硬度を測定し、機械的性質の基礎データを採取した。特にγ/γ'2相組織においてNi基超合金やCo基超合金に比べても高い硬度が得られ、有用な特性を得ることができた。
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Research Products
(4 results)