2008 Fiscal Year Annual Research Report
地震時リアルタイム道路盛土被害情報伝達システムの開発
Project/Area Number |
19860027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 卓 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (70451789)
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Keywords | 地震 / 盛土 / 防災 / リアルタイム計測 |
Research Abstract |
本研究では、地震による道路被害のうち,道路盛土の中・大規模崩壊に対象を絞り、安価で簡便なリアルタイム道路被害情報伝達システムを開発する.地震発生直後に道路被害箇所を特定することにより,防災機関の緊急対応の方針策定に貢献することを目指している. そのために,地震による盛土崩壊等の局所的な被害箇所および被害規模を瞬時に特定することのできるセンサーおよび情報伝達システムを開発する必要があり,低コストかつ長期安定運用が可能である斜面変位監視センサーユニットの開発に取り組んだ.既に開発済みのセンサーユニットを1年間作動させ続け,アルカリ電池4本で長期間の安定計測が可能であることを確認した.また,1ユニット当たりの作製費用は5万円程度にコストを抑えられることがわかった.このユニットにGPSおよび加速度計を組み込み地震時における道路盛土め変位計測に適用させ,地震による道路盛土の絶対変位の計測および地表面加速度の収集に適用させる. センサーユニットの適切な設置位置を決めるためには道路盛土の地震時崩壊挙動を知っておく必要がある.そのために,道路盛土(澤埋め盛土)の模型地盤を作製し,振動台実験によりその地震時挙動を検証した.澤埋め盛土の崩壊を再現するために,盛土部と地山部の境界に軟弱層を設けて実験を行った.擁壁モデルと盛土モデルの2ケースの実験を行った.その結果,澤埋め盛土は軟弱面が滑り面となり,盛土全体が土塊となって大きな残留変形を示した.この結果より,センサーユニット設置個所の選定に際して,澤埋め盛土の表土の有無を確認する必要があると考えられる.
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