2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブレインマシンインタフェースへの応用に向けた運動軌道生成システムの開発
Project/Area Number |
19860031
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神原 裕行 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 助教 (50451993)
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Keywords | 計算論的神経科学 / 知能ロボティス / ユーザーインタフェース / 機械力学・制御 |
Research Abstract |
肩を含む矢状面内において,始点と終点の間に経由点が存在する到達運動に関する計測実験および計算機シミュレーション実験を行った.計測実験では,人間の被験者に複数のパターンの到達運動を行ってもらい,運動中の腕の軌道を三次元計測装置で観測するとともに腕の表面筋電信号を計測し筋肉の活動度合いを観測した.また,計算機シミュレーションでは,始点と経由点,および経由点と終点を結ぶ二つの二点間到達運動を時間的にシリアルにつなげることにより,経由点を通過する到達運動を再現した.この際,一つ目の運動の目標点および,二つの運動を切り替えるタイミングをパラメータとして設定し,手先の軌跡ができるだけ被験者のそれと近くなるように二つのパラメータを最適化した.その結果,手先の軌跡のみならず,手先の接線方向の速度波形も被験者のそれと非常に近い特徴が再現できた.これは,二つのパラメータを自律的に学習する運動計画モデルを構築する際には,手先位置に関する情報のみを評価関数に含めることで,手先の速度も人間に近い物が得られる可能性を示している.一方,運動中の筋肉の活動を比較した結果,被験者においては運動の後半における屈筋・伸筋の同時活性化が観測されたが,シミュレーションではそれらを再現することができなかった.これは,二点間到達運動制御モデルに同時活性度を調節する機構を追加する必要があることを示しており,そのような機構を追加することは今後の課題である.
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