2007 Fiscal Year Annual Research Report
むだ時間を考慮した将来型配電系統の自律分散型制御方式の研究
Project/Area Number |
19860035
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
辻 隆男 Yokohama National University, 工学研究院, 助教 (00432873)
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Keywords | 配電系統 / 分散型電源 / 自律分散型制御 / エージェント / むだ時間 |
Research Abstract |
分散型電源が大量に導入された将来の配電系統を対象として,適切な電圧維持を実現するための「自律分散型電圧分布制御方式」を、研究代表者は先行研究により開発している。同制御方式はマルチエージェントシステムをベースとして開発されているが、エージェント間の情報交換に通信時間の発生に伴う遅れが発生する場合、制御方式全体が「むだ時間を含むPI制御」としての性質を有することになり、その安定性の保証が重要な課題であった。本研究課題は、むだ時間に対して既開発手法がロバスト性を有するような、安定化制御方式の開発が目的である。 平成19年度の研究では、(1)むだ時間の発生が既開発手法の性能に与える影響の検討、(2)制御論理の連続化による安定化対策の効果、の2点を中心に検討を実施した。上記項目(1)については、むだ時間を含む自律分散型電圧分布制御方式を差分微分方程式として定式化し、むだ時間の大きさと複数制御モード間の不感帯の大きさについて、その相関関係を検討した。特にむだ時間が原因でハンチングが発生する現象に着目し、その発生要因を確認した。項目(2)では、ハンチング現象が生じる主要因である制御モード間の切り替えを"離散切り替え"から"連続"へと変更することで、制御の安定化対策を試みた。その結果安定性の向上する結果が得られたが、同時に制御仕上がりの性能が若干劣化する傾向にあり、更なる対策が必要である。 平成20年度の研究では、エージェントの有する学習機能等の活用により、柔軟な安定化制御の研究を予定している。
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Research Products
(2 results)