2007 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子によるテラヘルツ機能メタマテリアルの創製
Project/Area Number |
19860039
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松井 龍之介 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80452225)
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Keywords | 光物性 / テラヘルツ材料・素子 / 導電性高分子 / プラズモニクス / メタマテリアル |
Research Abstract |
従来の光学の常識をはるかに超えたまさに夢のような光学材料・素子を実現する技術としてメタマテリアルに関する研究が近年活発化する中,本研究では導電性高分子を用いた新規機能メタマテリアルの創製を目的とし,(1)ポリピロールを用いたリライタブル・メタマテリアル(2)へリカルポリアセチレンを用いた超階層的カイラル・メタマテリアルの創製についての研究を遂行している。 研究計画(1)については,導電率の高い良質なポリピロールの合成法として低温(マイナス40度程度)での電解重合が有効であることが知られていることかち,まずは低温恒温槽などを入手しシステム構築に努め,次年度への研究への足がかりとしている。そのー方で,Indian Institute of ScienceのMenon教授よりドーピングレベルの異なる,つまり導電率の異なる(220,200,180,140,60 S/cm)ポリピロ一ル試料の提供を受け,まずは室温でのテラヘルツ時間領域分光解析を行った。これはリライタブルなデバイスの作製に先駆けて,脱ドープ時におけるポリピロールの光学的特性に関する知見を深めることを目的に行ったものである。テラヘルツ時間領域分光測定については本学の研究協力者(卒研学生)を同行させ,大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの萩行教授の研究室にて共同で行った。これらドーピングレベルの異なる試料において対象としているテラヘルツ周波数領域(0.1〜2THz)においてその誘電的特性に顕著な違いが見られ,次年度以降に予定しているリライタブルなデバイスの創製にむけて十分期待の持てる知見が得られたと考えている。 研究計画(2)については現在進行が滞っており,次年度へと持ち越す予定である。
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