2008 Fiscal Year Annual Research Report
形状モデルを用いた製品リデュース設計支援システムの研究
Project/Area Number |
19860050
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福重 真一 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (10432527)
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Keywords | リデュース設計 / ライフサイクル設計 / モジュール化設計 |
Research Abstract |
本研究は,製品構造を合理化することによって資源投入量や廃棄物発生量を低減する環境配慮型設計手法を提案することを目的とした.本年度は,製品の一生にわたる資源消費量や環境負荷を最小化する「製品ライフサイクル設計」の中に本研究が対象とする製品構造設計を位置づけ,設計者によって策定されたライフサイクルを適切に実現するための製品構造を,CADモデルを用いて導出する手法を提案した.提案手法では,大きく「リデュース設計」と「モジュール化設計」に着目しており,リデュース設計においては,製品の接続関係をシステマティックに単純化した抽象構造をまず導き,この構造に基づいて設計者が再設計を行うことで必要機能を満たしながら製品の減容化・軽量化を実現する方法を開発した.また,モジュール化設計においては,ライフサイクル設計の前段階において記述されたライフサイクル・シナリオに基づいて,同一循環経路をたどる部品同士をモジュール化し,これにより資源の再利用性を高める設計手法を開発した.さらに,提案手法によって導かれた製品構造をライフサイクル全体における資源の利用効率という観点から評価し,この評価結果に基づいて更なる再設計を行うことで効率の良い環境配慮設計を実現した.提案手法を環境配慮型製品設計システムとして実装し,実製品に適用することで手法の有効性を検証した.これにより提案手法が,製品設計段階において製品のリデュース性,リユース性,リサイクル性を向上させ,製品ライフサイクル全体を通じた環境負荷を効率よく低減させる設計方法であることが示された.
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