2008 Fiscal Year Annual Research Report
火花放電の発光スペクトルを用いた局所混合気濃度計測法の開発
Project/Area Number |
19860073
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 一成 Osaka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00454554)
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Keywords | 火花点火機関 / 混合気濃度 / 光学計測 / 火花放電 |
Research Abstract |
内燃機関にとって熱効率向上は重要な課題である.このための緻密な燃焼制御を実現するためには,実機の発火運転中にシリンダー毎,サイクル毎の情報を得ることが求められる.本研究は,ガソリン機関の火花放電に伴う発光を用いてシリンダー・サイクル毎に点火時期・位置の局所混合気濃度を求める方法を確立することを目的とした 混合気中の火花放電に伴う発光は,近紫外域から可視短波長域にかけてOH帯,NH帯,CN帯の各スペクトルやNO-Oの再結合による連続スペクトルによって構成されている.シリンダー内ではOH帯とCN帯のスペクトルが顕著になる.本研究では,OH帯とCN帯のスペクトル強度比と混合気濃度の間の相関関係に着目した.スペクトル強度ではなく,強度比を用いるため,発火運転による光学系の汚れが計測に影響を及ぼすことは本質的にない. 定容燃焼器や可視化圧縮・膨張機関を用いて様々な混合気濃度や異なる雰囲気圧力のもとで火花放電を行い,二波長分光装置を用いてOH帯とCN帯のスペクトル強度を検出した.その結果,誘導放電初期の特定の期間における強度比と混合気濃度の間に直線関係を見出した.この関係を用いて混合気濃度を求めることができる.しかし,強度と強度比にはイベント間のばらつきがあり,このばらつきが計測に悪影響をおよぼす.これが放電現象に本質的なものなのか,点火装置や光学装置に依存するものなのか,を突き止め,ばらつきを抑える工夫を考案することが求められる. また,雰囲気圧力やCO_2濃度が直線関係の勾配に影響をおよぼす.これらの影響を明確にし,雰囲気条件に応じて直線関係を補正する方法を確立することが求められる.
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