2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規メソポーラスカーボンのメソ空間を分離場とした膜分離システムの開発
Project/Area Number |
19860074
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田中 俊輔 Kansai University, 環境都市工学部, 助教 (20454598)
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Keywords | メソポーラスカーボン / 薄膜 / レゾール樹脂 / ブロック共重合体 / 熱硬化性樹脂 / 熱分解性高分子 / 一段階合成 |
Research Abstract |
メソポーラスカーボンは、界面活性剤を鋳型として合成されたメソポーラスシリカを鋳型に、細孔内に炭素源を充填するように有機化合物を炭化することによって、元のシリカの細孔配列と周期性を反映した構造をもって得られる。しかし,シリカ細孔内での炭素化には、ショ糖などの炭素源を濃硫酸で脱水、炭化を繰り返し行う必要、並びにシリカの鋳型をフッ化水素酸で除去する必要があり、合成が多段階にわたりコストと時間がかかる。また,従来法では、薄膜状シリカ鋳型への炭素源の導入が困難であるため、メソポーラスカーボンの均一かつ連続薄膜を得ることは難しい。本研究では,熱分解性ブロック共重合体と熱硬化性レゾール樹脂との複合体形成によるメソポーラスカーボンの薄膜形態制御に取り組んだ。レゾルシノールおよびフロログルシノールを炭素源として用いることで、高い規則性を有するカーボン薄膜をシリコン基板上に合成することができた。XRD、TEM、FESEM、反射X線小角散乱(GISAXS)法を用いて構造解析を詳細に行った。炭素源とブロック共重合体の比によって、3次元ケージ状細孔構造と2次元チャネル状細孔構造を有する薄膜(膜厚1μm程度〜数百nm程度)が得られることがわかった。また、どちらの構造も基板および膜表面に対して垂直方向に構造が配向していることを明らかにした。ポーラスγ-アルミナ基材を用いた場合、3nmの細孔を有するメソポーラスカーボンが基材上に製膜することができたことから、分離膜としての応用が期待できる。
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