2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規メソポーラスカーボンのメソ空間を分離場とした膜分離システムの開発
Project/Area Number |
19860074
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田中 俊輔 Kansai University, 環境都市工学部, 助教 (20454598)
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Keywords | メソポーラスカーボン / 薄膜化 / フェノール樹脂 / ブロック共重合体 / 熱可塑性樹脂 / 熱分解性高分子 / 有機-有機相互作用 / アルミナ支持体 |
Research Abstract |
フェノール樹脂と熱分解性高分子Pluronic F127の有機-有機相互作用を利用して規則性ナノ構造ポリマーを調製し、それを炭化することによってメソポーラスカーボンを得た。管型多孔質アルミナ支持体および陽極酸化アルミナ基材を用いて形態の制御に取り組んだ。ポーラスγ-アルミナ支持体上にディップコーティングした生成物のXRDパターンには回折ピークが得られ、周期構造が形成されていることがわかった。フェノール樹脂モノマー/Pluronic F127のモル比を200として得られた薄膜はケージ状の細孔構造を有していた。これに対して、フェノール樹脂モノマー/Pluronic F127のモル比を160とした場合には、チャネル状の細孔構造が得られた。一方、前駆溶液を静置して得られた粒子状生成物では、溶媒であるエタノール水溶液のエタノール濃度を高くすると、明確な規則性構造が得られた。エタノール濃度が低い条件では、wormhole-like細孔構造を有することがわかった。また、エタノール濃度が高いほど細孔径が大きくなることがわかった。窒素吸脱着測定から800℃で炭化した生成物の細孔径はおよそ5nmであり、BET比表面積は500m^2/g以上であった。さらに、陽極酸化アルミナの細孔内にメソポーラスカーボンを充填することを試みた。多孔質アルミナ基板表面やアルミナ細孔内表面を用いることにより、メソポーラスカーボンの細孔構造の規則性が向上した。多孔質アルミナ基材の表面あるいは細孔内に調製したメソポーラスカーボンは、規則的に配列した均一な細孔構造を有し、グラフェンの高い化学的安定性を有することからシリカ膜では適応できない分離への応用が期待できる。
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Research Products
(3 results)