2007 Fiscal Year Annual Research Report
実験と体感による防災リスクコミュニケーションの手法の開発
Project/Area Number |
19860075
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
福本 早苗 Mukogawa Women's University, 生活環境学部, 教授 (20434938)
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Keywords | 地震防災 / リスクコミュニケーション / 実感教育 / 建築構造 / 構造模型 / 女子学生 |
Research Abstract |
本研究では、地震防災に関わるリスクコミュニケーションを成就させるための国民意識の向上、防災に従事する人材を育成するための実感・体感教育、地震防災に対する女性の積極的関与をキーワードとし、「生活の基盤である住宅」の耐震安全性に焦点をあて、(1)一般国民にも伝わる防災学習ツールを造る;(2)女子大生を被験者・学習者とする;(3)体感・実感に頼る学習方法を考案する、ことを研究の目的とする。本研究では、下記の3ステップからなる研究を展開する。(A)体感・実感促進教材の試作;(B)体感・実感実験法の考案;(C)学習効果の評価:(A)、(B)の開発による学習効果の定量化。H19年度においては、特に(A)、(B)において下記の成果を得た。(A)著名な構造研究者や設計者が初心者向けに著した内外の教材群を収集し、剛さと強さを確保するための材料と部材の種類、部材の接合方法等、建築構造と耐震安全性に関わる記述を抽出した。また20世紀を代表する構造研究者が著した、構造物の造りかたを解説した書物を取り上げ、構造物がかたち造られる様子と、力のバランスと力が地面に伝わる仕組みについて、それらを平易な日本語に翻訳する作業に着手した。(B)住宅に用いられる材料や部材がもつ、重さ、強さ、剛さを実感するための「実物模型」に関わる予備検討を実施した。曲げ、圧縮、座屈を実感することができるゴム製の模型を試作し、その視覚度、重量感、剛強感を女子学生に味わわせることを通じて、曲げや圧縮における平面保持やオイラー座屈等、構造の基礎となる事項に対する理解度が、これら模型との接触によってどの程度向上するかを検討した。
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