2008 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル・オーディオにおける振幅/時間軸歪の改善
Project/Area Number |
19860084
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
井上 学 Yonago National College of Technology, 電子制御工学科, 助教 (30455159)
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Keywords | PLL / SRC / オーディオ / 信号処理 / データ変換 / ジッタ / FPGA / 回路システム |
Research Abstract |
テーマ(1):サンプリング・レート変換の際に生じる振幅軸歪の改善 提案するフーリエ補間方式の連続時間信号の生成に用いる,下記テーマ(2)の技術を利用した正弦波計算の実現法を2つ考案している. 本年度は,まず,これら2つの手法をソフトウェア・シミュレーションにより正弦波の再現性能を評価した.その際,一方の電卓等の三角関数の計算に用いられるCORDICアルゴリズムによる計算法において若干の歪が生じるものの,必要となる繰り返し演算を簡単化することのできる操作を発見した.この操作により,繰り返し演算数の増加に伴う回路規模の増大を抑制でき,前述の歪も繰り返し数を大きくとることで解決できる.現在,この手法のハードウェア実現に取り組んでおり,高精度かつ小規模の正弦波生成回路の実現が期待できる. また,もう一方の正弦波の計算方法である回転行列を利用した方式についても,様々な実現法を検討している.しかし,行列要素の算出処理が複雑になり,回路規模が大きくなることが予想される.最終的には性能と回路規模の両方で2つの正弦波計算方法を評価する. 前者のCORDIC方式については,九州工業大学情報工学部の小林教授と連携し開発を進める.また,9月に開催される電気関係学会九州支部連合大会でこの実績について発表する. テーマ(2):DA(Digital to Analog)変換の際に誤差の原因となる時間軸歪の改善 本件については,1年目で想定した通りの歪の改善を得ることができたが,制御工学理論に基づいた裏付けが不足していた.そこで,提案手法と従来の手法,そして提案手法の発想に近い手法についても,問題としているジッタ特性だけでなく,制御応答などのデータも集め,学生とともに項目11に記載した学会で発表を行った.現在は,耐ノイズ性能についての理論評価と,上記テーマ(1)に適用できるインタフェース回路の実現を検討している.
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