2008 Fiscal Year Annual Research Report
高強度高靱性セメント複合体の基本特性とその実用化に関する研究
Project/Area Number |
19860085
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Research Institution | Takamatsu National College of Technology |
Principal Investigator |
水越 睦視 Takamatsu National College of Technology, 建設環境工学科, 准教授 (10455165)
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Keywords | 繊維補強 / ポリエチレン繊維 / ひび割れ / 引張強度 / 高強度 / じん性 / 断面修復 / 埋設型枠 |
Research Abstract |
高いひび割れ抵抗性と高じん性を有する短繊維補強モルタルは吹付け工など幾つかの用途に使用されている。本研究では、短繊維補強モルタルの埋設型枠およびコテ塗り断面修復材への適用を念頭に実験を行った。補強用繊維は高強度・高弾性であるポリエチレン繊維を選定し、使用実績の多いビニロン繊維との比較で繊維補強モルタルの配合試験を行い、施工性および力学特性を把握した。その後、最適配合のポリエチレン繊維補強モルタルの埋設型枠および断面修復材への適用性を検討するために鉄筋コンクリートはり部材を用いた載荷試験を実施した。その結果、以下の知見が得られた。 (1)細骨材に容易に入手できるコンクリート用細骨材を用いたポリエチレン繊維補強モルタルは、ビニロン繊維で補強したものに比べ、高強度領域において優れた引張性能を発揮する。しかし、低強度領域になるとビニロン繊維の方が引張性能は優れている。 (3)水セメント比が30%のポリエチレン繊維補強モルタルは、繊維混入率2.0%でも大きなじん性能を示す。ただし、繊維混入率1.5%の場合よりじん性能は低下する傾向が窺え、モルタル中の繊維の増加による施工性の低下を考えても繊維混入率は1.5%の方が適当である。 (4)環境温度が5℃まで下がると、材齢7日ではポリエチレン繊維補強モルタルの引張性能は20℃、35℃の場合よりも低下すことがわかった。したがって、低温時に施工した場合は、設計材齢を長くする必要がある。 (5)ポリエチレン繊維補強モルタルを埋設型枠、断面補修材としてRCはり下面に用いた場合、断面形状・寸法および鉄筋量が同一の一体打ちのはりと同等以上の耐荷性能を示し、ひび割れの分散性も良好で、優れたひび割れ幅抑制効果が得られることがわかった。
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