2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19860090
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
梶田 信 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 任期付研究員 (00455297)
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Keywords | ヘリウム損傷 / 金属ミラー / 間欠的熱負荷 / プラズマ照射 / 複合照射効果 / 核融合プラズマ / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
平成19年度はダイバータ模擬装置NAGDIS-II(名古屋大学)において、ヘリウム照射損傷を受けたタングステンのナノ秒レーザーを用いたアブレーションを、高速カメラとフィルターを組み合わせたフィルター分光法を用いて調べた。使用したスペクトルはタングステン原子線WI(λ=400.9nm)とヘリウム原子線HeI(706.5nm)である。表面温度が十分に高い状態(>1500-1600K)で、タングステンにヘリウムプラズマを照射すると表面にサブマイクロサイズのヘリウムホール・バブルの形成が確認された。損傷なしのタングステンからはレーザーフルエンスが1J/cm^<-2>以下ではレーザーを照射しても発光が観測されないが、ヘリウム照射を行ったタングステンからは0.2J/cm^<-2>を超えるとレーザー照射に伴い発光が観測され、アブレーションのレーザーパワー閾値が著しく減少した。プラズマ照射に伴って、タングステン原子からの発光とともにヘリウム原子からの強い発光が観測され、レーザー照射によってヘリウムホール・バブルの破裂が起こっていることが示唆された。ホールやバブルの破裂がアブレーション閾値の減少を生む原因となっていると考えられる。 加えて、He-NeレーザーとPin-Photodiodeを組み合わせ、in situでの反射率計測機器を構築し、プラズマ照射に伴うタングステンの反射率変化を調べた。プラズマ照射に伴いタングステンの表面反射率が急激に減少することが明らかになり、ホールやバブルなどの形成による表面状態の著しい変化の結果、光学的反射率が減少したと考えられる。
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