2007 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類上皮細胞のアピカル膜ドメインの形成・制御機構の解析
Project/Area Number |
19870019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀越 洋輔 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, リサーチフェロー (60448678)
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Keywords | 細胞極性 / アピカル膜ドメイン / aPKC-PAR複合体 / 微絨毛 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
細胞極性、すなわち細胞を構成する様々なタンパク質を秩序だって配置させることは、個体の発生や組織の構築に必須である。極性化した上皮細胞は、TJ (Tight Junction)や膜ドメインを形成する。我々はaPKC, PAR-3, PAR-6の3者複合体(aPKC-PAR複合体)の機能阻害により上皮細胞の微絨毛の形成が阻害されると共に、アピカル膜ドメインの形成される位置が異常になる事を発見したが、その詳しい分子機構は不明である。一方、脂質膜に結合し、その形状を変化させる分子群が同定されたが、上皮細胞がもっ特徴的なアピカル膜の形態の制御に働いているかは不明である。 本研究の目的は、上皮細胞のアピカル膜ドメインの形成・制御機構を分子レベルで明らかとする事である。この制御にaPKC-PAR複合体と脂質膜の形状決定に働くタンパク質群がどのようなに関わるか分子レベルで明らかとする事でこの目的を達成する。 平成19年度では、大腸菌から精製したPAR-3リコンビナントタンパク質を用いてウシ脳より精製された脂質から人工脂質二重膜(リポソーム)を作成し、その結合を確認した。その結果、新たにPAR-3のC末端に脂質結合領域が存在する事を見つけた。さらに、イノシトールリン脂質から作成したリポソームと結合する事も見出した。重要な事に、イノシトールリン脂質は、上皮細胞のアピカル膜ドメイン形成に先だって極性を持った局在をとる。この事は、aPKC-PAR複合体がイノシトールリン脂質・シグナルとのクロストークを介し上皮細胞のアピカル膜ドメインの形成・制御に関わることが強く示唆される。今後、PAR-3とイノシトールリン脂質との結合がこの制御に必須であるか検証を進め、細胞膜の形態制御という観点から上皮細胞がもつアピカル膜ドメインの形成制御機構を解明する。
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Research Products
(1 results)