2007 Fiscal Year Annual Research Report
非定型ミオシンIによる左右非対称性形成に必要な結合因子の探索
Project/Area Number |
19870021
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
前田 礼男 Tokyo University of Science, 基礎工学部生物工学科, 助教 (40453831)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 左右非対称性 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
1.研究背景 動物の左右非対称性の形成機構に関する研究は、脊椎動物を中心に行われており、その形成機構が明らかになりつつあります。しかし、無脊椎動物の左右非対称性の形成機構はほとんど明らかにされていません。これまでの私たちの研究から、無脊椎動物であるショウジョウバエの左右非対称性は、非定型ミオシンIとアクチン細胞骨格に依存して形成されることが示唆されています。本研究課題では、TAPシステムを用いて、Myo31DFと複合体を形成する左右性因子を同定し、その機能を明らかにすることで分子レベルでの機構を明らかにしようと考えています。 2.本年度の研究成果 Tetra-TAPタグを融合したMyo31DFをショウジョウバエ胚において発現させ、TAP法による精製および質量分析法による結合因子の同定を行いました。しかしながら、得られた特異的バンドの多くは、発現させたMyo31DFの分解産物であることが明らかになりました。胚全体に強制発現された過剰なMyo31DFが分解されたと推測されます。このことから、以下の2つの方法を組み合わせることで、問題の解決を試みています。(1)Myo31DFが分解されやすい可能性があるため、左右性因子が結合する可能性の高い尾部領域のみとTAPタグを融合したタンパク質を発現する系統を作出します。(2)胚全体に強制発現させた場合、内在性のMyo31DFが本来発現していない組織・時期において、細胞死などの異常を引き起こしている可能性が考えられます。したがって、ヒートショックプロモーター下で胚全体に発現させるのではなく、GAL4-UASシステムをもちいることで、特定の組織においてのみ、TAPタグを融合したMyo31DFを発現させます。現在、この新しいショウジョウバエ系統は作出済であり、今後、TAP精製を行う予定です。
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Research Products
(3 results)