2008 Fiscal Year Annual Research Report
非定型ミオシンIによる左右非対称性形成に必要な結合因子の探索
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19870021
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
前田 礼男 Tokyo University of Science, 基礎工学部・生物工学科, 助教 (40453831)
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Keywords | 遺伝子 / 消化管 / 発生 / 左右非対称性 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
左右非対称性に関する研究は脊椎動物を中心に行われており、その形成機構が明らかになりつつある。しかしながら、脊椎動物以外の動物種の左右非対称性の形成については、あまり理解されていない。これまでの我々の研究から、ショウジョウバエの左右非対称性の形成は、非定型ミオシンIであるMyo31DFとアクチン細胞骨格に依存して形成されることが示唆されている。我々は、Myo31DFがモータータンパク質であることから、その制御に関わる因子や積荷となっている因子が、左右非対称性の形成に重要な役割をはたしていると推測した。本研究課題では、TAP法をもちいて、Myo31DFと複合体を形成する因子を同定し、その機能を明らかにすることを目的としている。 Myo31DFの尾部領域にTAPタグ(FLAGタグとHisタグをタンデムにつないだタグ)を融合したタンパク質をショウジョウバエ個体において発現させ、TAP法による精製および質量分析による複合体の同定を行った。その結果、4つのタンパク質を同定することに成功した。この中には、アクチン細胞骨格の制御に関わっていることが報告されているタンパク質も含まれており、これらの因子の左右非対称性形成への関与が推測される。近年、脊椎動物であるアフリカツメガエルの左右非対称性の形成においても、アクチン細胞骨格が左右非対称性に機能しているという報告もあり、アクチン細胞骨格に依存した左右非対称性の形成機構が広く保存されている可能性が示唆されている。このことからも、本研究課題の成果は、ショウジョウバエ以外の動物種の左右非対称性の形成機構を理解する上でも重要な知見を与えると考えている。
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Research Products
(5 results)