2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規mRNA様ノンコーディングRNAであるGomafuの機能解析
Project/Area Number |
19870036
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
築地 仁美 The Institute of Physical and Chemical Research, 中川独立主幹研究ユニット, ユニット研究員 (40455358)
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Keywords | mRNA様ノンコーシングRNA / RNA結合蛋白質 / 神経発生 |
Research Abstract |
mRNAは、核内で転写された後にイントロン除去やpolyA配列の付加などを経て成熟し、迅速に細胞質へと輸送される。ところが、マウス網膜で細胞タイプ特異的に発現する遺伝子をスクリーニングする過程で同定されたノンコーディング遺伝子Gomafuの転写産物は、mRNAの特徴を備えているにもかかわらず、スプライシングを受けた後も細胞質に運ばれず核内に多数のドット状の顆粒を形成するという非常にユニークな性質を示す。核内には核小体をはじめとする様々な構造体が存在することが明らかになっているが、Gomafu RNAの局在は既知のマーカーのいずれとも重ならず、新規の核内構造体を構成していると考えられる。本研究では、Gomafu RNAの核内保持の機構、Gomafu RNAの含まれる核内新規構造体の構成成分と機能を明らかにし、神経組織におけるGomafuの機能の解明を目指す。 本年度は、RNAに結合する蛋白質の精製方法を独自に開発し、Gomafu RNAに結合する蛋白質を精製/同定した。具体的には、Gomafuのトランスジェニックマウスの脳組織にUV照射することでRNAとそれに直接結合する蛋白質を架橋し、Poly A(+)画分を調整することでmRNA/蛋白複合体を濃縮した。それに対して、ビオチン標識したGomafuのアンチセンスプローブをハイブリさせ、ストレプトアビジン-セファロースにて沈降させ、Gomafu/蛋白質複合体を精製した。RNase AにてRNAを切断し、蛋白質のみを溶出した後、電気泳動し、MALDI-TOFによる質量解析で蛋白質を同定した。すでに数種類のGomafu結合蛋白質を同定しており、それら蛋白質について、in vitroでGomafuへ結合するかを再確認し、Gomafuと共局在するか、強制発現と発現抑制でどのような変化が起こるかを検討している。
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