2007 Fiscal Year Annual Research Report
三次元行動情報に基づくウミガメ類をモデルとした回帰行動メカニズム解明に関する研究
Project/Area Number |
19880017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥山 隼一 Kyoto University, 情報学研究科, GCOE助教 (80452316)
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Keywords | 水産学 / 行動学 / バイオロギング / 保全生物学 / 回帰行動 |
Research Abstract |
生物が生息域や産卵場へ回帰するという現象は、行動学から内分泌学、そして生理生化学に至る幅広い学問分野から注目を集めるテーマである。海洋において大回遊、または回帰行動をする生物は、自身の行動の手掛かりとして、磁気感覚(地磁気)、視覚(太陽、偏光、星、ランドマーク)、嗅覚(化学物質)など様々なものを利用していると示唆されており、多くの生物がこれらを識別できることが明らかとなっている。しかし、こうした回帰行動において生物どのような経路で回帰するのかを明らかにした例はない。回帰の経路を明らかにできれば、回帰する生物が周囲の環境情報をどの程度詳細に把握して行動しているのかが分かる。本研究では、モデル生物としてタイマイ亜成体を選定し、三次元地磁気・加速度データロガー、カメラロガー、GPSロガーを用いて回帰中の行動を三次元で再現することを目的とした。本スタートアップによる初年度の科学研究費補助金の交付は、その特性上、年度後半からの交付であった。このため、フィールドでの調査シーズンが終了しており、具体的な調査を行うことができなかった。今年度では、来年度の実験のために調査測器を手配し、さらに、水槽内での調査測器の動作確認、装着方法、回収方法に関する予備実験を実施した。この結果、ウミガメへ負担無く測器を装着できること、無事に回収できることを確認した。また、カメラロガーにより得られた画像から、ウミガメが何をしているのかを分析する手法を習得した。これらの技術を用いて、来年度ではタイマイの母浜回帰中の三次元経路を明らかにしていきたい。
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Research Products
(13 results)