2008 Fiscal Year Annual Research Report
三次元行動情報に基づくウミガメ類をモデルとした回帰行動メカニズム解明に関する研究
Project/Area Number |
19880017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥山 隼一 Kyoto University, 情報学研究科, GCOE助教 (80452316)
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Keywords | 水産学 / 行動学 / バイオロギング / 保全生物学 / 回帰行動 |
Research Abstract |
生物が生息域や産卵場へ回帰するという現象は、幅広い学問分野から注目を集めるテーマである。しかし、こうした回帰行動において生物どのような経路で回帰するのかを明らかにした例はない。回帰の経路を明らかにできれば、回帰する生物が周囲の環境情報をどの程度詳細に把握して行動しているのかが分かる。産卵のため、砂浜に上陸するウミガメ類は、産卵シーズンに複数回、約12日間隔でほぼ同じ浜に産卵をするという、産卵地の固執性を持っている。彼らがどのように固執する産卵地へ回帰しているのか、そのメカニズムは明らかになっていない。本研究では、近年開発された動物の行動を三次元で再現できる地磁気・加速度データロガーを用いて、アオウミガメをモデルとし、海洋生物の回帰行動メカニズムの解明に資することを目的とした。 本研究は、沖縄県石垣島にて産卵上陸をするアオウミガメを対象とした。産卵上陸したアオウミガメに地磁気・加速度ロガーを装着し、約12日後の次回産卵上陸時に回収を行った。本年度は、3個体のアオウミガメからデータを得ることができた。地磁気・加速度ロガーは、装着個体の遊泳速度、動的加速度、滞在深度、三次元姿勢、そして三次元方位を記録するため、アオウミガメの行動を三次元で再現できる。この技術をもとに、現在、三次元GISをベースに三次元行動データ(回帰の直線度、遊泳速度、遊泳深度、潜水時間、海面表出時間)と環境データ(磁場マップ、天候、風向風速、潮汐、水温)を統合的に解析中である。この解析によって、アオウミガメ
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Research Products
(12 results)