2008 Fiscal Year Annual Research Report
核受容体CARを介してアルコール・脂質代謝の調節に寄与する機能性食品因子の解析
Project/Area Number |
19880024
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 顕人 Maebashi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10453028)
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Keywords | 食品機能性 / 生体機能利用 / 生理活性 / 発現制御 / 薬剤反応性 |
Research Abstract |
胡麻に含まれるセサミンはアルコール代謝や脂質代謝の亢進など様々な生理活性を有することが知られている。しかし、その作用機構に関しては未解明な部分が多い。近年、生体異物で活性化される核内レセプターがその解毒と排出に関与する遺伝子の転写を制御していることが明らかになってきた。活性化型アンドロスタン受容体(CAR)はその一つであり、フェノバルビタールを含めた生体異物によって活性化される。我々は、マウス肝臓のCAR依存的な遺伝子発現プロファイルと、ラット肝臓のセサミン依存的な遺伝子発現プロファイルとの間に有意な相関を見出した。特に、アルデヒドデヒドロゲナーゼ1(aldhl)遺伝子、グルタチオンSトランスフェラーゼ(gst)遺伝子、P450酵素(cyp2b)遺伝子はセサミンで発現を誘導されていた。マウスあるいはヒトのCAR遺伝子とヒトCYP2B遺伝子上流域のルシフェラーゼレポーターをHepG2細胞に導入し、セサミンで処理したところ、レポーター活性の上昇が観察された。次に、マウスにセサミンを投与し、cyp2b6のmRNAを定量した。野生型ではcyp2b6mRNAの増加が見られたのに対し、car欠損マウスでは変化が見られなかった。さらに、他の食品由来のポリフェノールについて同様の解析を行ったところ、カテキンやケルセチンがCARを活性化することが明らかになった。以上の結果は、食品機能生成分がCARを活性化することにより解毒やエネルギー代謝を制御していることを強く支持する。
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Research Products
(2 results)