2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19880026
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
鳩谷 晋吾 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 助教 (40453138)
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Keywords | イヌ / ES細胞 / 再生獣医療 / 体外受精 / 卵子 |
Research Abstract |
1、本年度の研究では、避妊手術で摘出・廃棄される卵巣から得られる、前胞状卵胞由来未成熟卵子を用いて、新たなイヌ体外受精技術の開発を試みた。(1)イヌの体外成熟の最適な条件を調べるために、イヌ未成熟卵子をエストロジェンおよび上皮成長因子を添加した培地で培養したところ、第一減数分裂中期まで成熟促進が可能となった。さらに、FBSを添加することで、第二減数分裂中期(MII)への成熟が促進されることが明らかとなった。(2)コラーゲン・ゲルの中にイヌ未成熟卵子を包埋した三次元培養法を長期間行った。その結果、三次元培養でヒポキサンチンを加えた培地を用いることで、卵子の直径が増加し、卵子の生存率が増加することが明らかとなった。さらに、卵胞刺激ホルモン(FSH)を培地に加えることで卵丘細胞が増殖し、in vitroで疑似的な卵胞を作製することに成功した。得られた疑似卵胞より卵子を取り出し、(1)で調べた最適な培地で体外成熟培養を行ったところ、MIIへの成熟が促進された。以上のことから、三次元培養法ではこれまでの方法と比べて長期間の培養が可能となり、疑似的な卵胞を作製することで、未成熟なイヌ卵子を成長させることに成功した。さらにこれらの卵子を体外成熟に用いることで、核の成熟を促進できることがわかった。 2、イヌES細胞株樹立を目指して、自然交配した雌イヌから胚盤胞期胚を回収し、そこから得られた内部細胞塊をマウス胎子線維芽細胞と共培養することにより、イヌES様細胞の初代コロニー形成に成功した。また、この初代コロニーを継代することで、10代目までES様細胞を培養できることが分かった。しかしながら、胚盤胞期胚よりも早期の胚からイヌES様細胞の初代コロニーを形成することはできなかった。
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Research Products
(4 results)