2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物機能を用いた樹皮タンニンからの汎用性ポリマー原料生産技術の開発
Project/Area Number |
19880035
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
大塚 祐一郎 Forestry and Forest Products Research Institute, バイオマス化学研究領域, 研究員 (80455261)
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Keywords | Tannin / Catechin / Burkkholderia / Tropical peat / Leucocyanidin / Taxifolin / metabolic engineering / Biomass |
Research Abstract |
本研究は、膨大な未利用資源である縮合型タンニンの高度利用技術確立の一環として、縮合型タンニンの酸化分解によりカテキン等を得て、さらにカテキン分解微生物の代謝機能を用いて有用物質に変換するシステムの構築を目的としている。 カテキン分解微生物の報告は世界的にも殆どなされていない。そこで、カテキン分解微生物を土壌中から探索することを試みた。これまでに報告例の少ないカテキン分解微生物を探索するにあたって、樹木由来の成分が非常に豊富で、微生物の活動が活発であると考えられる熱帯泥炭土壌に焦点を当て、探索を行った。その結果、pH3.5の酸性条件でカテキンを単一の炭素源として生育できるバクテリアKTC-1株の獲得に成功した。このKTC-1株の16srDNA配列解析の結果、KTC-1株はBurkholderia属に分類されることが明らかとなり、新規カテキン分解菌をBurkholderia sp.KTC-1とした(以下KTC-1とする)。このKTC-1のカテキン分解機能を調査するために、粗酵素液を調製しカテキン分解試験を行ったところ、細胞膜酵素ではなく、細胞内の酵素により分解されることが明らかとなった。さらにHPLC、GC-MS、NMR等の分析と標準物質との比較により、KTC-1株はカテキンの4位を水酸化しLeucocyanidinへと変換、さらに4位の水酸基を酸化しTaxifolinへと変換して代謝することを明らかにした。 本年度の研究成果により、新規カテキン分解菌KTC-1を発見し、その代謝機能がこれまでの報告にない新規な代謝機能であることを明らかにすることに成功し、このKTC-1株のカテキン代謝経路を及び遺伝子情報を詳細に解析することにより、縮合型タンニンの高度利用に大きく貢献できると考えられる。
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Research Products
(2 results)