2008 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子発現解析法を用いた新規睡眠遺伝子の検索と同定
Project/Area Number |
19890003
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寺尾 晶 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (10451402)
|
Keywords | プロスタグランジンD_2 / アデノシンA_<2A>受容体 / ノンレム睡眠 / レム睡眠 / 断眠 / 反跳性、睡眠 / マイクロアレイ / リアルタイム量的PCR |
Research Abstract |
睡眠・覚醒調節機構の分子基盤を明らかにするため、代表的な生理的睡眠物質である、プロスタグランジン(PG)D_2をラットに投与した時に発現変化する遺伝子を網羅的に解析した。この時、アデノシンA_<2A>受容体シグナルがPGD_2による睡眠促進作用において重要である点を考慮し、PGD_2およびアデノシンA_<2A>受容体選択的作動薬(CGS21680)投与時に共通して発現変化する遺伝子を選択した。GeneChip^<[○!R]>を用いて、脳神経系に発現を認める代表的な1300遺伝子について、大脳皮質、視床下部、前脳基底部における発現プロファイルを網羅的に解析したところ、PGD_2およびCGS21680誘発性睡眠時において発現変動を認めた遺伝子の数はそれぞれ数%程度であった。この中でPGD2およびbGS21680誘発性睡眠時に共通して発現変化した遺伝子を検索したところ、その割合は約30%であり、各脳部位における遺伝子数は、大脳皮質 : 14、視床下部 : 24、前脳基底部 : 13であった。次に、これら遺伝子群を断眠処置後のリバウンド睡眠(通常より深い睡眠状態)と比較し、共通に活性化される遺伝子群が睡眠調節機構に重要であるという観点から睡眠遺伝子候補の絞り込みを行った。その結果、各睡眠条件において共通に発現変化を認めた遺伝子は、大脳皮質 : mt1、視床下部 : bok, bzrp, mt1、前脳基底部 : ceacam10, cic-2saであった。現在、これら遺伝子の機能解析を進めている段階である。
|
Research Products
(6 results)