2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高崎 千尋 Hokkaido University, 北海道大学病院, 医員 (60451449)
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Keywords | 臨界期可塑性 / グルタミン酸トランスポーターポーター / GLT1 / バレル / 体性感覚野 |
Research Abstract |
平成19年度は、グルタミン酸トランスポーターGLT1の体性感覚系における発現解析を野生型マウスで行った。胎生15日から生後第2週までのC57/B6Jマウスを固定し脳を摘出、切片を作製し、GLT1抗体とマーカー抗体(成長軸索のマーカー:GAP43;軸索のマーカー:neurofilament160;樹状突起のマーカー:MAP2;グルタミン酸作動性神経終末のマーカー:VGluT2;発達から成熟までのグリアのマーカー:GLAST)との二重染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、脳幹三叉神経核バレレットでは、GLT1は胎生15日において成長軸索に発現するが、その後、次第に軸索での発現は減少し、グルアに発現するようになり、生後6日までにグリアへの発現スイッチが完了した。同様に、視床VPM核バレロイドでは生後2日までに、大脳皮質体性感覚野バレルでは生後4日までにGLT1のグリアへの発現スイッチが完了していた。これは眼窩下神経を切断した時のバレレット、バレロイド、バレルの臨界期終了時期(バレレット:生後6〜8日;バレロイド:生後3日;バレル:生後5日)に先立つタイミングで起きていた。バレレット、バレロイド、バレルの出現時期(バレレット:生後1〜2日;バレロイド:生後4日;バレル:生後4日)とは連動していなかった。 以上の結果からGLT1のグリアへの発現スイッチがグルタミン酸除去機能を介して、神経活動依存性のシナプス再構築に対して積極的な役割を演じていることが示唆された。次年度は、この結果を踏まえ、GLT1ノックアウトマウスを用いて臨界期可塑性実験を行い、更なる裏付けを得る予定である。
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