2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌の転移制御に向けた、子宮肉腫をモデルとする上皮間葉移行関連遺伝子の探究
Project/Area Number |
19890022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
豊島 将文 Tohoku University, 病院, 助教 (70451581)
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Keywords | 子宮癌肉腫 / 上皮間葉移行 / 間葉上皮移行 / 遠隔転移 / マイクロダイセクション / マイクロアレイ |
Research Abstract |
当研究の現段階までの進行程度は以下の(1)-(4)である。(1)当科にて手術を行った子宮肉腫症例より癌肉腫29例、平滑筋肉腫12例、内膜間質肉腫5例を抽出、作製された病理標本をすべて観察し、免疫染色に適切なプレパラートとブロックを選択した。(2)当科で手術を行った子宮癌肉腫症例の中で、凍結組織を保持しているものを全てピックアップしOCTコンパウンドしH-E染色を行った。それらの標本について全てを検鏡し、マイクロダイセクションに適する標本を選別した。(3)一色法でのマイクロアレイ用チップ、染色液などを購入した。(4)福岡大学江本博士より、子宮癌肉腫より樹立した癌細胞株であるFU-MMT-1とFU-MMT-3を譲渡して頂いた。この細胞株を異なる酸素濃度下(20%O2と5%O2)で培養し、増殖速度や形態変化を観察した。 現在はまだ研究データを得るための下準備の段階であるが、マイクロアレイで信頼性・再現性のあるデータを得るためには、十分量の質の高いmRNAを臨床標本から抽出する必要がある。その為にはマイクロダイセクションで、子宮内膜癌と肉腫部分を精確に選別できるような凍結切片が必要である。そこで当科で保持する子宮癌肉腫症例を全て検鏡した上で、マイクロダイセクションに適する質の高い凍結切片の選別を慎重に行っている。 今後は選別して得られた凍結切片について、マイクロダイセクションをいって、癌組織と肉腫組織の各々よりmRNAを抽出して、マイクロアレイの実験を行う予定である。マイクロアレイでは可能な限り多数の検体を用いて、再現性のあるデータ取得を目的とする。
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