2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌の転移制御に向けた、子宮肉腫をモデルとする上皮間葉移行関連遺伝子の探究
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19890022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
豊島 将文 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70451581)
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Keywords | 子宮癌肉腫 / 上皮間葉移行 / 間葉上皮移行 / 遠隔転移 / マイクロダイセクション / マイクロアレイ |
Research Abstract |
昨年度に準備した臨床標本(癌肉腫29例、平滑筋肉腫12例、内膜間質肉腫5例)について、上皮間葉移行(EMT)に関わるとがえられる小胞輸送分子Hrsの免疫染色を行った。しかし癌の部分だけでなく肉腫部分にもHrsの染色を認め、EMTとHrsの関連は明らかにはならなかった。Hrsに関しては研究代表者が作成したノックアウトマウスにて中枢神経系での重要性を見出し、この成果を論文発表した。 昨年度に準備した子宮癌肉腫症例標本を、レーザーマイクロダイセクションにて癌部分と肉腫部分に分けて採取しそれぞれからRNAを抽出した。それらのRNAを用いて子宮癌肉腫の癌部分と肉腫部分に発現する遺伝子群を比較してEMT関連分子を探索する予定である。ただしマイクロアレイ解析で再現性のあるデータを得るためには多数の臨床検体が必要とがえているが、まだ症例数が足りないためマイクロアレイ解析は準備中である。 最近の報告で低酸素環境がEMTを促進することが報告された。そこで子宮癌肉腫において同様の機構が生じているかを調べるため、子宮癌肉腫より樹立した癌細胞株であるFU-MMT-1とFU-MMT-3と子宮内膜癌細胞株であるIshikawaをそれぞれ異なる酸素濃度下(20%O2と5%O2)で培養し増殖速度や形態変化を観察した。FU-MMT細胞株では明らかな変化は認められなかったものの、Ishikawa細胞では低酸素濃度で間葉系細胞に類似する細胞形態の変化(扁平化、細胞間結合の乱れ)が観察されるとともに、著明なvimentin(間葉系細胞のマーカー)の増加を認めた。
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[Journal Article] Loss of Hrs in the Central Nervous System Causes Accumulation of Ubiquitinated Proteins and Neurodegeneration2008
Author(s)
Tamai K, Toyoshima M, Tanaka N, Yamamoto N, Owada Y, Kiyonari H, Murata K, Ueno Y, Ono M, Shimosegawa T, Yaegashi N, Watanabe M, Sugamura K
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Journal Title
Am J Pathol 173(6)
Pages: 1806-1817
Peer Reviewed
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