2007 Fiscal Year Annual Research Report
外来がん患者の倦怠感に対する自律訓練法の効果と身体的変化
Project/Area Number |
19890034
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高階 淳子 Akita University, 医学部, 助教 (70436187)
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Keywords | 看護 / がん / 倦怠感 / 自律訓練法 / 効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん患者の倦怠感に対ずる自律訓練法の効果を明らかにすることである。本年度は、1.自律訓練法の実際について臨床心理士からの情報収集をおこない、どのように自律訓練法を行っていただくか、パフレット等の作成について検討し、効果の評価のための質問紙の作成を行っている。また、実施施設と実施方法について検討中である。健康者に対するプレテストを行うなどの研究開始のための準備を行っている。2.外来通院中と入院中のがん患者の倦怠感の比較を行った。何らかのがん治療を受けており、Performance Statusが0または1である、外来通院中のがん患者156名と入院中のがん患者86名を対象に倦怠感た関する調査を行った。結果、痛み・不眠・下痢・不安・抑うつ・呼吸困難・嘔気・嘔吐・孤独感・混乱・発熱などの症状のある患者が入院患者では47.7%、外来患者では53.3%に出現していた。外来患者のVAS倦怠感は平均2.6(SD=2.44)、 GFS総合倦怠感は平均16.6であり、入院患者のVAS倦怠感は平均2.0(SD=2.14)、 CFSでは総合倦怠感は平均15.0(SD=8.72)であった。さらに、 VAS倦怠感とCFS総合倦怠感で有意差(p<0.05)を認めた。結果より、以下について示唆を得た。(1)入院患者よりも外来患者の方がPSは良好にも関わらず、倦怠感は強い傾向があった。(2)外来患者では、自宅での症状コントロール困難であることから苦痛症状の出現頻度も高く、倦怠感が強いことが考えられる。(3)外来患者では、医療者の介入の機会が少なく、症状などについて相談する機会が少ないため、精神的倦怠感が大きぐ関与していると考えられる。(4)外来患者の倦怠感に対しては、適切な症状コントロールだけてなく、精神的サポートが重要である。
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Research Products
(2 results)