2008 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子Nrf2および小Maf群因子のドメイン構造・機能相関の解明
Project/Area Number |
19890035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
勝岡 史城 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (30447255)
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Keywords | 小Maf群因子 / 酸化ストレス / 転写制御 / 分子生物学 |
Research Abstract |
bZIP型転写因子である小Maf群因子は, Nrf2と二量体となり,抗酸化剤応答配列(Antioxidant response element)に結合し,酸化ストレス応答・異物代謝系酵素群の遺伝子の転写を正に制御している. 本研究では,転写因子Nrf2ならびに小Maf群因子のドメイン構造・機能相関をマウスの個体レベルで解析することを目的としている. 今年度は,小Maf群因子の一つであるMafG発現するトランスジェニックマウスの作製し、トランスジェニック相補レスキュー解析を確立することができた。 mafG遺伝子の制御領域によって野生型MafGを発現するトランスジェニックマウスを複数系統樹立し、その発現を確認した。外来性のMafG蛋白質は、内在性のMafG蛋白質と同程度から10倍程度で、内在性の蛋白質の組織分布とほぼ一致した。これらマウスを用いて、小Maf群因子三重欠失マウスのトランスジェニック相補レスキューを実施したところ、内在性の小Maf群因子を発現せず、外来性のMafGのみを発現するレスキューマウスを樹立した。レスキュー個体は、正常に出生、解析した限りにおいて明らかな表現型を示さなかった。よって、ここに小Maf群因子トランスジェニック相補レスキュー系を樹立したことになる。同様に、MafGのSUMO化部位の変異体を発現するトランスジェニックマウスを樹立し、相補レスキューを実施した。その結果、変異型MafGによるレスキュー個体は、正常に出生、発育し、外見的には明らかな表現型を示さなかった。現在、小Maf群因子のSUMO化修飾の生理学的な意義を明らかにすることを目的として、変異型MafGレスキュー個体の表現型を詳細に解析している。
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Research Products
(4 results)