2008 Fiscal Year Annual Research Report
fMRIを用いたリラクセーション技法の選択適応基準作成のための実験研究
Project/Area Number |
19890038
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小林 しのぶ Gunma University, 医学部, 助教 (70451721)
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Keywords | リラクセーション技法 / fMRI / 漸進的筋弛緩法 / 大脳生理的活動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、fMRIを用いて大脳生理学的所見から、リラクセーション技法で生じる反応の作用機序を明らかにすることである。その第一段階として、骨格筋の意図的な脱力により上行インパルスを解して大脳へ弛緩感覚を認知させていく漸進的筋弛緩法について、検討を行った。本年度は前年度のプレテスト結果をもとに本実験を実施した。 被験者が対照課題(骨格筋緊張の単純な繰り返し)とrelax課題(漸進的筋弛緩法条件)を行うデザインとし、両課題とも骨格筋の緊張時間を15秒間、弛緩時間を30秒間と設定した。実施部位はfMRI撮影に影響をしないよう頭部が動かない動作に限定し、具体的には両手拳、手関節の屈曲、上肢、足指の屈曲、膝関節周囲、臀部筋、腹筋の緊張・弛緩を2セットずつ繰り返し行うこととした。対照課題では単純な筋緊張の繰り返しを指導し、relax課題では、漸進的筋弛緩法の特徴である弛緩時問に意識を向け、ゆっくりと行うよう指導した。fMRI撮影の他、主観的評価として実施前後に身体感覚尺度を用い、併せて血圧・脈拍数を測定した。その結果、実施中は両課題とも運動野の賦活化を認めた。課題実施前後の安静時の脳活動領域を比較すると、relax課題では、実施後に前頭および辺縁連合野に賦活化が認められ、対照課題では後頭葉に変化を認めた。このことから、骨格筋の運動を伴うため実施中は運動野の賦活化を認めるが、リラクセーションを意識する漸進的筋弛緩法は実施後の大脳活動に差が生じる可能性が示唆された。また、血圧値変化に一定の傾向は認められなかったが、身体感覚尺度得点は実施後に上昇し、主観的リラックス感も得られたと推測される。今後さらに詳細に分析を進めるとともに、他のリラクセーション技法実施時の測定を行い、技法の種類による大脳生理的活動の側面からの作用機序の違いを明らかにしていきたい。
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Research Products
(1 results)