2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890042
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
矢島 大介 Chiba University, 大学院・医学研究院, 特任教員 (60451754)
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Keywords | 法医学 / 細胞死 / 脂質酸化 |
Research Abstract |
マウス胚線維芽細胞MEFsを虚血-再還流装置を用いて虚血、再還流状態(虚血1時間-再灌流2時間)に暴露し,経時的にSytox Greenで細胞死の検出,BODIPYで過酸化脂質の検出をおこなったところ,細胞死にほぼ一致して脂質酸化を認めるという良好な結果を得た。これら虚血、再還流状態に暴露した細胞および通常の酸炭状態に暴露したもの等を集めBligh-Dyer法にて脂質を抽出後,薄層クロマトクロマトグラフィーで展開。0.001%プリムリン噴霧後,UV(253.7nm)照射下でカルジオリピンCL分画を確認し分離し,クロロホルムに溶解した。CL分画のクロロホルムを蒸発させ,その一部を70%HCLO_4を加え2時間灰化し,その後2.5%モリブデン酸アンモニウム,10%アスコルビン酸を加え沸騰水浴中で5分加熱後に820nmの吸光度を測定し,CLの定量を行ったところ,直径2.5cmのカバーガラス上に培養したMEFs4枚について2.6〜0.079nmolのCLを得た。また,残余のCLを過酸化脂質検出蛍光試薬DDDPを用いて分析したところ,一部の試料では虚血に暴露したもので過酸化脂質量の増加を認めたが,結果にばらつきが多く統計的に有意な差は認められなかった。一方,各条件に暴露した細胞を直接ホモジナイズし,脂質抽出した後,リン酸緩衝液に溶解させ,ホスホリパーゼA_2を用い脂肪酸に分解し,分解後の試料から脂質を抽出後エタノールに溶解して,HPLCを用いて定性、定量を試みたが,ピークの不分離および流出時間の不安定などがあり,良好な結果を得ることはできなかった。今回のDDDPを用いた検出法での測定値ばらつきの原因は明らかではないが,各実験操作手技の未熟が原因している可能性があり,その熟達が今後の課題である。また,HPLCでの検出では,脂質抽出、分離法及び移動層、カラム条件が不適当である可能性が高いため,今後はこれらの検討を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)