2007 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎臓病、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群の機序解析と新しい治療法の開発
Project/Area Number |
19890043
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
竹本 稔 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (60447307)
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Keywords | 慢性腎臓病 / 糖尿病性腎症 / ネフローゼ症候群 / ポドサイト |
Research Abstract |
本研究は,慢性腎臓病,糖尿病性腎症,ネフローゼ症候群の発症機序,特に蛋白尿の発症機序に焦点をあてて研究を行っており,最終的には蛋白尿を防ぐ為の新しい治療法の開発を目標としている。 この目標に向けて,私はマウスを用いて大規模な糸球体特異的遺伝子の同定とその機能解析というプロジェクトを推進してきており,このプロジェクトを通して幾つかの新規糸球体特異的遺伝子の同定や糸球体遺伝子/タンパク質のデータベース化を図り報告してきた。さらにこのプロジェクトを遂行中に偶然にタンパク尿自然発症マウス(NSマウス)を発見して,NSマウスのタンパク尿の発現機序を探るべく,NSマウスならびに野生型マウスより腎糸球体を単離して,その糸球体における遺伝子プロファイリングを行った結果,Melanoma antigen(Mela), Dendrin等の興味深い遺伝子群の発現変化を認めた。その為,それらの遺伝子群とタンパク尿発現との関連を検討した。マイクロアレーを用いた遺伝子プロファイリングではNSマウスにおいて,Mela遺伝子の発現上昇を認めたものの,RT-PCR等では残念ながらその結果を再現するとができなかった。Dendrin遺伝子に関しても,ノックアウトマウスを作成したものの,現在までは腎臓に関しては特に表現型が得られていない。しかしながら,新たにNSマウスにおいて我々が同定した糸球体特異的遺伝子の一つであるPOSTI遺伝子が発現上昇していることを明らかにした。この遺伝子のノックアウトマウスに抗糸球体膜抗体を投与すると蛋白尿が増加することより,この遺伝子を一つの手がかりにして,今後もNSマウスのタンパク尿の発現機序に関して検討をしてゆく予定である。
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Research Products
(5 results)