2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
別所 雅彦 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任助教 (50451810)
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Keywords | 変形 / CT / 3次元モデル / 長幹骨 / 3次元計測 |
Research Abstract |
長管骨の変形・成長障害は、先天性異常、感染および外傷などを機序として2次的に発生する。骨切りし変形を矯正する場合、下肢長管骨の変形の術前における定量的評価は十分な正確性を要求される。骨変形を定量的に計測する場合、変形骨の正画像と側画像のX線写真を用いてPaleyらの提唱した方法によって定量評価している。しかし、このX線写真を用いた変形の評価法には、複合変形(回旋変形と角状変形)には限界があるため、CT画像を利用した3次元画像を用いた変形の定量評価法の確立に着手した。H19年度は、3D計測が可能な特徴点の決定を行い、変形のある患者に対して角度計測が可能であることを確認した。H20年度は、検者内検者間の測定誤差に関して検討を行った。右大腿頚部骨端線損傷の患者に対して倫理委員会同意の上、患者同意の上で、2mmスライスにて右大腿骨をCT撮影し、3次元モデルを作成した。2検者がその3次元モデルを1週間に1回、計6回3D角度計測を行った。特徴点は、大腿骨頭中心・大転子最近位端・小転子・大腿骨足速位端・大腿外側頚・大腿内側頚とし、各特徴点に対する線分(3次元ベクトル)に対する3D角度(3次元ベクトルの回転角)を算出した。結果は、PFA(Proximal femoral angle)は、検者Aは、89度標準偏差(SD)0.9度、検者Bは、91度(SD)0.7度、DFA(Distal femoral angle)、検者Aは、88度(SD)0.9度、検者Bは、89度(SD)1.0度、3D rotationは、検者Aは、12度(SD)O.7度、検者Bは、11度(SD)0.9度であった。検者内・検者間ともに再現性よく計測が可能であった。骨の3次元変形を精確に評価することは、正しい術前計画立案に有意義であり、より高い効果が得られる治療を行うことが可能になる。今後、症例を増やして有用性を検討していきたい。
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