2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴川 佳吾 The University of Tokyo, 医学部・付属病院, 助教 (50447398)
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Keywords | 前庭 / 有毛細胞 / 支持細胞 / 再生 / Cytokeratin / Vimentin |
Research Abstract |
哺乳類前庭感覚器において、傷害後一定期間が経過した後に有毛細胞の数が増加することが知られているが、その再生の様式については通常有毛細胞が傷害された後に再生する機序としては(1)支持細胞の非対称的な有糸分裂(mitosis)による有毛細胞形成、(2)支持細胞の有糸分裂を経ない有毛細胞への分化転換(transdifferentiation)、(3)部分的に傷害を受けた有毛細胞による自己修復(self repair)などが考えられているが、現在のところ一定した見解がない。この機序を解明することは、今後内耳有毛細胞再生の研究をするにあたって、重要な情報となると考えられる。今回の研究では前庭有毛細胞のわずかな再生がいかなる機序で起こっているのかを解明すべく研究を行った。 1.前庭有毛細胞傷害モデルの作成 体重250〜300gでプライエル反射陽性のハートレーモルモットを用いて、ゲンタマイシン鼓室内投与による内耳前庭細胞傷害モデルを作成した。麻酔下にモルモットの片側耳後部を切開、鼓室を開放したのち、ゲンタマイシン溶解液を注入した。注入後2週間後で無手術側に比べ有毛細胞の脱落がみられた。 2.モルモット前庭支持細胞に特異的なマーカーの検索(準備実験) 正常なモルモットの前庭感覚器パラフィン切片を用いて、前庭感覚上皮支持細胞に特異的な染色マーカーを検索した。Cytokeratin, Vimentin, p27,S100A1などの細胞骨格マーカーおよびGFAPなどの神経グリアマーカーを検討した。MyosinVIIa抗体と各候補抗体との2重染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、これらの中ではVimentin染色において有毛細胞以外の感覚上皮細胞の染色がなされ、支持細胞の染色に有用なマーカーであることが確認された。 これらの結果をもとに翌年度の研究を遂行する予定である。
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Research Products
(4 results)