2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ配糖体抗菌薬による内耳障害に対する蛋白治療〜臨床応用への基礎的研究〜
Project/Area Number |
19890057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樫尾 明憲 The University of Tokyo, 医学部・付属病院, 助教 (20451809)
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Keywords | アポトーシス / 蛋白治療 / アミノ配糖体抗菌薬 |
Research Abstract |
研究目的 1.カナマイシン・エタクリン酸投与によるアポトーシス発現の時間的経過を解明する。 2.アポトーシス抑制蛋白であるPTD-FNKの内耳細胞でのIn Vitroにおけるアポトーシス抑制効果を検討した。 3.PTD-FNKの鼓室内投与による効率的蝸牛薬剤投与の可能性を探る。 研究方法 1.モルモットに対してカナマイシン皮下注・エタクリン酸静脈投与を行い6、12、24、36、48、60時間後における蝸牛有毛細胞でのTunnel陽性細胞の確認を行った。サーフェスプレパレーションテクニックを用い蝸牛有毛細胞を観察した。 2.ラット蝸牛らせん神経節細胞を摘出し培養を行い神経栄養因子欠乏下でPTD-FNK投与群と非投与群で培養アポートシス発現に差を認めるかどうか確認した。 3.PTD-myc-FNKをモルモット鼓室内正円窓におき6時間後に断頭、myc抗体で免疫染色を行い鼓室内投与で蝸牛内へPTD-FNKが到達していることを確認する。 研究成果 1.36時間まではTunnel反応が確認できなかったが、48時間目でTunnel反応が主に基底回転においておこることを確認できた、60時間後ではTunnel反応は乏しく48時間前後での反応か活発であることが推測された。今後は48時間前後を詳細に分割して各回転ごとに時間的な差があるかどうかを検討する予定である。 2.現時点ではFNKによって細胞死の予防が確認できていない。FNKの投与濃度、時期などの関係によるものか、神経栄養因子の欠乏によるアポトーシスがFNKが抑制するミトコンドリアの経路によらないことが原因として考えられる。今後ネオマイシン、グルタミン酸などアポトーシス誘発因子を投与した際にFNKがアポトーシス抑制効果を示すか検討する予定である。 3.PTD-FNK鼓室内投与にてコルチ器有毛細胞、前庭有毛細胞にFNKが取り込まれていることが確認できた。
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