2008 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ配糖体抗菌薬などによる内耳障害に対する蛋白治療〜臨床応用への基礎的研究〜
Project/Area Number |
19890057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樫尾 明憲 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (20451809)
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Keywords | アポトーシス / 蛋白治療 / アミノ配糖体抗菌薬 / 鼓室内投与 |
Research Abstract |
研究目的アミノ配糖体抗菌薬による内耳有毛細胞障害に対して抗アポトーシス蛋白PTD-FNKの全身投与においてその予防効果を証明したが、全身投与の場合複数回の投与の必要がありまた、全身敵副作用が危惧される。今回より簡便で、副作用が少ないと考えらる鼓室内投与によるその予防効果について検討した。 研究方法1.鼓室内投与におけるPTD-FNKの内耳分布PTD-FNKにmyc tagを付加したPTD-myc-FNKを使用しmycに対する免疫染色にてその取り込みを確認した。白色モルモット全身麻酔下、蝸牛骨包を開放、PTD-myc-FNK3ulをゼラチンスポンジ(スポンゼル)に浸し蝸牛窓小窩に静置し、1,3,6,12,24,48時間後における取り込みを確認した。2.PTD-FNK鼓室内投与におけるアミノ配糖体抗菌薬内耳障害の予防効果硫酸カナマイシン200mg/kg、エタクリン酸40mg/kg投与内耳障害モルモットモデルに薬剤投与1時間前にPTD-FNKを6mg/ml 3ulスポンゼルに浸し蝸牛窓小窩に静置することで聴力・有毛細胞の障害予防できるかを確認した。コントロールは対側耳とし、PTD-FNKの代わりに溶媒を浸し静置した。 研究成果1.PTD-myc-FNKは高分子でありながら蝸牛窓謨を通過し内耳有毛細胞へ取り込まれることがわかった。しかも、1時間後より速やかに取り込まれ24時間後まで有意に取り込みを認めた。6時間で代謝される全身投与に比べてより長時間作用することが示唆された。2.PTD-FNK投与耳では有意にABRの閾値上昇を抑えることができ、かつ外有毛細胞の障害を有意に抑制することができた。全身投与では7回にわたる投与でその効果を得られたが、今回鼓室内投与では1回投与でその効果を得ることができた。また、全身的な副作用も得に認めなかった。現在上記成果を投稿中である。
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[Journal Article] Ocular vestibular-evoked myogenic potentials(oVEMPs)require extra ocular muscles but not facial or cochlear nerve activity.2009
Author(s)
Chihara Y, Iwasaki S, Ushio M, Fujimoto C, Kashio A, Kondo K, Ito K, Asakage T, Yamasoba T, Kaga K, Murofushi T.
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Journal Title
Clin Neurophysiol. Ahead of print
Peer Reviewed
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