2007 Fiscal Year Annual Research Report
多職種チームによる児童虐待予防-個別支援プロセス評価尺度の開発と有用性の検証
Project/Area Number |
19890059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有本 梓 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (90451765)
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Keywords | 看護学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究は、より効果的な児童虐待予防活動とそのプロセス評価を可能とするため、児童虐待予防を目指して多職種チームで行う個別支援のプロセスを行政保健師に焦点をあてて、明らかにするとともに、そのプロセスを評価する尺度を開発し、有用性を検討することを目的とした。 平成19年度は、個別支援プロセス評価尺度の開発を目的として、アイテム・プールの作成および尺度案開発を行った。 1.文献レビューによる項目の抽出 個別支援プロセスで行っている支援を多く収集し、適切な項目を選び出すために、関連する分野、内容の国内外の文献・資料を収集し、文献検討および資料収集を行い、項目を抽出した。 2.児童虐待予防を目指した個別支援に携わる保健師に対するヒアリングの分析 児童虐待予防を目指した個別支援に携わった保健師31名に個別支援プロセスについてヒアリングした結果を分析し、多職種チームで行った個別支援の技術を抽出した。 これらにより、関連する実践活動での技術および概念の整理ができ、児童虐待発生・進行予防に有効な行政保健師による個別支援プロセス尺度案を作成できた。 近年、児童虐待対策において多職種の協働が重要視されており、これまで協働の重要性は様々な職種のガイドラインに記されてきた。しかし、実際には多職種が協働して個別支援を行い続けることは難しく、各国で児童虐待対応時の協働が困難であることが明らかにされている。また、多職種チームでの個別支援に関する具体的な方法は明らかではなかった。このため、本研究結果は、多職種チームによる個別支援の推進、重篤な児童虐待の発生・進行予防に重要である。
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