2008 Fiscal Year Annual Research Report
多職種チームによる児童虐待予防-個別支援プロセス評価尺度の開発と有用性の検証
Project/Area Number |
19890059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有本 梓 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (90451765)
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Keywords | 看護学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究は、より効果的な児童虐待予防活動とそのプロセス評価を可能とするため、児童虐待予防を目指して多職種チームで行う個別支援のプロセスを行政保健師に焦点をあてて、明らかにするとともに、そのプロセスを評価する尺度を開発し、有用性を検討することを目的とした。 平成20年度は、個別支援プロセス評価尺度の開発と有用性の検証を目的として、尺度案の精選と予備調査、本調査を行った。 1.尺度案の精選と予備調査 平成19年度に作成した個別支援プロセス支援案をさらに精選した。支援内容の実情を反映した尺度案とするために、関連する分野、内容の国内外の文献・資料を多数収集し、文献検討および資料収集を行い、項目を抽出した。また、研究者と実践者へのヒアリングを実施し精選した。 2.本調査:児童虐待予防を目指した個別支援プロセス尺度の有用性の検証 自治体の保健師と地域看護職を対象にヒアリング調査と質問紙調査を実施し、個別支援プロセス尺度の有用性とアセスメントされた個人・家族のニーズとの関連性を調べた。個別支援プロセス尺度は、個別支援プロセスの意識化とプロセス評価に有用である可能性が示唆された。保健師がアセスメントした個人・家族のニーズと尺度の関連については、より詳細な検討が必要と考えられた。 近年、児童虐待対策では多職種チームでの協働が重要だが、実際行うのは難しいことが世界各国で指摘されてきた。また、多職種チームでの個別支援に関する具体的な方法は明らかではなかった。このため、本研究結果は、多職種チームによる個別支援の推進とプロセス評価の実施に貢献できる。
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