2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890071
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
奥原 滋 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10451973)
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Keywords | sonic hedgehog / マウス / 口蓋裂 / in situ hybridization / 歯胚 / 咽頭 / 口蓋突起 / 舌 |
Research Abstract |
哺乳類においてSonic hedgehog (Shh)遺伝子は胚正中線、神経、四肢、歯などの形成・発生に重要で、成体においても味蕾や気管上皮の発達・維持に必要である。Shhのシス発現制御因子Mammalian Fish Common SequencesのひとつであるMFCS4の欠失ヘテロマウスとShhの欠失ヘテロマウスとの交配で得られるcompound heteroマウス(Shh+/-, MFCS4+/-)が100%の確率で口蓋裂を示すことから、Shhは二次口蓋発生に必要であることが示唆される。そこで、野生型におけるShhの発現パターンをin situ hybridizationにより観察したところ、口蓋皺襞および前歯・臼歯歯胚の上皮に発現していることを確認したほか、咽頭後壁および舌上皮にも発現を認めた。compound・heteroマウスを組織学的に観察・比較し、この口蓋裂は口蓋突起が水平転位しないために起こることが明らかとなった。そこでcompound heteroマウスにおいて水平転位が阻害される原因について検討した。舌を除去した状態で上顎の回転培養を行ったところ、遺伝子型にかかわらず口蓋突起は水平転位して正中で癒合した。以上の結果は、MFCS4の制御によるShhの発現が、口蓋突起の水平転位を補助するための舌の発生や舌運動の発達に必要であることを示している。また、compound heteroマウスでShhの発現は低下しているが無ではないことから口蓋突起の水平転位におけるShhの量的な効果が示唆される。
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