2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890071
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
奥原 滋 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10451973)
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Keywords | マウス / 口蓋裂 / Sonic hedgehog / MFCS4 / 器官培養 / in situ hybridization / 舌 / 舌筋 |
Research Abstract |
国立遺伝学研究所哺乳動物遺伝研究室城石俊彦教授と嵯峨井知子研究員は、Sonic hedgehog遺伝子の口腔咽頭領域におけるcis型発現制御領域MFCS4が欠失しているマウスを樹立し、これとShh欠失マウスとのコンパンウンドヘテロ個体(Shh+/- MFCS4+/-)では口蓋裂が100%発症することをつきとめた。コンパウンドヘテロマウスの組織学的な観察、in situ hybridizationおよび上顎部のrotary organ cultureを行ったところ、口蓋の原器である口蓋突起には目立った形態上の発生異常は認められず、rotary organ cultureにおいて口蓋突起は水平転位し正中で癒合することが示された。また、in situ hybridizationによりShhおよびその伝達路に関与するGli, PatchedなどのmRNA発現を継続的に観察したところ、これらの遺伝子の発現に特に明確な差を認めなかった。そこで、口蓋裂の原因の別の候補である舌の発達・動作異常を検討するために、舌体および舌筋群とこれらの支配神経の発達を、野生型とミュータントマウス間で観察・比較した。舌の動作に関与する筋群の発生を、通常の組織染色、細胞増殖の状態や筋芽細胞マーカーに対するin situ hybridizationにより観察すると、縦舌筋・横舌筋・オトガイ舌筋筋束の形態学的な形成不全が見られ、さらに横紋筋細胞の分化マーカーであるMyoDの発現がコンパウンドヘテロマウスにおいて低下していることを発見した。また、MyoDの発現パターン・がFibroblast growth factor receptor 2の発現パターンと近いことも発見した。
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