2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890080
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 邦行 Niigata University, 医歯学総合病院, 医員 (40452057)
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Keywords | 大脳聴覚野 / 可塑性 / フラビン蛋白 / イメージング / マウス |
Research Abstract |
・マウス大脳聴覚野の周波数マップの変化を探るために、ミトコンドリアの電子伝達系を担う蛋白であるフラビンの自家蛍光変化を用いて神経活動を可視化し、以下のの2つの研究を行った。 1. フラビン蛋白蛍光法における反応は青色光の長時間照射により抑制されることを利用し(光抑制)、広義の一次聴覚野に含まれる前聴覚野(AAF)と狭義の一次聴覚野(AI)の関係を調査した。その結果、AAFを光抑制した場合AAFの反応とともにAIの反応も低下したが、AIを光抑制した場合はAIの反応のみ低下しAAFの反応には影響がなかった。この結果から広義の一次聴覚野内にはAAFからAIへの神経活動の方向性があることが証明された。 2. 純音、AM音、FM音をそれぞれ報酬を与える音(S+音)、報酬を与えない音(S-音)に割り当て行動実験を行い、学習が成立した後、大脳聴覚野の反応性を調査した。その結果、純音をS+音、S-音に割り当てた場合、いずれの場合も大脳聴覚野の反応に変化はなかった。AM音、FM音をS+音に割り当てた場合、大脳聴覚野の反応に変化はなかったが、S-音に割り当てた場合、反応が低下した。このことからAM音、FM音のような複雑な音に対する学習に大脳聴覚野が必要であり、その学習は反応の抑制として得られることがわかった。 ヒトにおける聴覚の可塑性を調べるために人工内耳挿入患者の聴取成績と失聴期間との関係について調査した。その結果失聴期間が長いほど聴取成績が悪いことがわかった。 上記研究は聴覚系とくに大脳聴覚野における可塑性を解明するために、基礎的、臨床的な両側面から、非常に重要で有意義な研究である。
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Research Products
(4 results)