2008 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭がんのために喉頭全摘出術を受けた患者の日常生活上の困難体験とその対処法
Project/Area Number |
19890091
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
長崎 ひとみ Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 助教 (00436966)
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Keywords | 喉頭がん / 喉頭摘出術 / がん看護 / 質的研究 / 内容分析 |
Research Abstract |
研究目的は,喉頭がんのために喉頭全摘出術を受けた患者が,喉頭全摘出術を行い,日常生活においてどのような困難体験をしているのか,またその困難体験に対してどのように対処しながら術後の生活を再構築しようとしているのかについて明らかにし,今後喉頭がんのために喉頭全摘出術を受ける患者への具体的,実践的な看護援助への示唆を得ることである。術後6ヶ月以上経過し,自宅で生活をしている対象者16名にインタビューガイドに基づいた半構成面接を行い,Krippendorff, Kの内容分析の手法で,分析を行った。その結果,喉頭摘出術を受けた患者の日常生活上の困難体験は,【失声に伴う意思疎通困難】【代用音声獲得を期待するが,自分の思う通りに訓練が進まないことに不満を持つ】【予想をはるかに超えて苦痛と化した摂取行動】【社会からの孤立化】【緊張を伴う入浴】【頻回の痰の流出がもたらす日常生活への弊害】【永久気管孔がもたらす排便困難】【気管孔への異物混入の恐怖】【永久気管孔造設に伴う臭覚の消失】【手術前のように暮らせないもどかしさ】【患者を支える社会システムが充実していないことへの不満】【長期間持続する術後症状がもたらす日常生活上の不快感】【がん再発の恐怖とともに暮らす】の13の大表題に集約された。また,これらの困難体験への対処方法として,≪コミュニケーション手段の工夫≫,≪調理方法,食事内容の工夫≫,≪嚥下方法の工夫≫,≪洗髪時の工夫≫などの表題が明らかになった。患者は喉頭摘出に伴う失声のみでなく,術後のQOLを低下させる要因を多く抱えて生活していた。これらの結果を踏まえ術後の状態がイメージできるような情報提供の必要性,退院後の継続的な援助の必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)