2007 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラベクターを用いた制御性T細胞抑制機構の解明と新規癌ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
19890098
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西川 博嘉 Mie University, 大学院・医学系研究科, 講師 (10444431)
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Keywords | 腫瘍免疫 / CD4^+CD25^+制御性T細胞 / 弱毒化サルモネラ菌 / GITR / CD8+細胞傷害性T細胞 |
Research Abstract |
本研究において,S.typhimurium-NY-ESO-1を用いて,ヒト及びマウスモデルにおいて,Tregの抑制作用を解除し,ヒト癌抗原,NY-ESO-1に対する特異的免疫応答が效果的に誘導しえるかを検討した。ヒトにおいて,我々が開発したCD4^+CD25^+Treg活性の新規アッセイ方法により,CD4^+CD25^+Treg存在下に S.typhimurium-NY-ESO-1を用いて末梢血CD4^+T細胞よりNY-ESO-1特異的CD4^+ヘルパーT細胞(Th)の誘導の可否を測定することで,S.tvphimurium-NY-ESO-1のTreg抑制解除效果を検討したところ,S.typhimurium-NY-ESO-1はTreg存在下にNY-ESO-1特異的Thを誘導した。またTregの抑制解除の詳細なメカニズムを,種々のサイトカイン,Tregの抑制効果に関わる分子シグチルのブロッキングにより検討した。これにより,IL-6及びGITRシグナルがS. typhimuriumによるTreg抑制機能解除に極めて重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに,Treg抑制機能解除効果が明らかとなったGITRシグナルを用いたがんワクチン療法をマウスモデルにより確認した。すなわち,GITR ligand (GITRL)をCytotoxic T lymphocytes (CTL)抗原とともに免疫することにより,特異的CD8^+T細胞誘導,腫瘍拒絶効果の増強が認められた。また腫瘍拒絶効果の増強は,GITRシグナルによりTreg抵抗性の特異的CD8^+T細胞が誘導されたことによることを明らかにした。
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