2007 Fiscal Year Annual Research Report
エナンチオ選択的アミド化を基軸とする多環性アルカロイドの合成研究
Project/Area Number |
19890102
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安井 義純 Kyoto University, 薬学研究科, 助教
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Keywords | 遷移金属反応 / 天然物合成 / アルカロイド |
Research Abstract |
本研究では、「効率」「汎用性」「実用性」をキーワードとして[1]遷移金属触媒によるエナンチオ選択的アミド化反応を開発し、[2]これを基軸とした多環性アルカロイド類の合成を行った。 [1]のアミド化反応はギ酸アミド誘導体の遷移金属に対する反応性を活用するものである。すなわち、まず、分子内にオレフィンを持つクロロギ酸アミドあるいはシアノギ酸アミドに対して遷移金属を作用させることで、CO-X結合の金属への酸化的付加を進行させる。生じた遷移金属種が分子内の二重結合に付加すれば、不斉中心の構築とともにラクタム環が形成できるというものである。光学活性な触媒を用いることにより、生じる不斉四級中心の立体化学を制御することができた。[2]では、こうして得られる多置換ラクタムCを鍵中間体として多環性アルカロイドvincorine、perophoramide、quebrachamineの合成研究に取り組んだ。それぞれの化合物の合成に際して、アミド化以外にも新しい合成手法の開発を行い、これらを整合性よく組み合わせることにより効率的な合成を実現することができた。
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