2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞に特異的に発現するROBO4の発現制御機構の解析
Project/Area Number |
19890117
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 欣晃 Osaka University, 大学院・薬学研究科, 助教 (50444500)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 遺伝子発現調節 / Roundabout4 / トランスジェニックマウス / 転写制御 / Robo4 / 分子生物学 |
Research Abstract |
これまで我々は血管内皮細胞に特異的に発現するROBO4遺伝子のプロモーター領域を解析し、転写因子GABPとSP1がROBO4遺伝子の転写開始点付近に結合し、転写を活性化することを、初代培養血管内皮細胞を用いた実験により明らにした。本年度は、まずROBO4プロモーターに存在するGABP結合サイトがin vivoにおいてもROBO4の転写制御に重要な役割を担っているのかを明らかにするため、トランスジェニックマウスの作成と解析を行った。まず、GABP結合サイトに変異もつ3kb ROBO4プロモーターにLacZ遺伝子とpolyAシグナルを連結させ、このトランスジーンターゲティングベクターに組み込んだ。得られたターゲティングベクターをマウスES細胞にエレクトロポレーション法を用いて導入し、相同組み換えによりトランスジーンをES細胞ゲノムに導入した。得られたES細胞をマウス胚盤胞にインジェクションし、キメラマウスを作成し、これをC57BL/6マウスと掛け合わせることにより、トランスジェニックマウスを作成した。得られたマウスの各臓器におけるLacZの発現をX-galを用いた染色により解析したところ、ROBO4プロモーターに変異を持つマウスは、変異を持たないプロモーターを持つマウスに比べ、LacZの発現が大きく減少していることを明らかにした。また、このLacZの発現の減少は、マウス胎児やガン中の血管においても確認された。以上の結果から、ROBO4プロモーター中のGABP結合サイトは、in vivoにおいてもROBO4の転写調節に必須であることが明らかとなった。現在、同様の実験を行い、SP1サイトに変異を持つプロモーターを持つES細胞株の樹立を行っている。
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Research Products
(5 results)