2007 Fiscal Year Annual Research Report
重層上皮研究に基づいた上皮形成・維持機構と癌化の分子機構
Project/Area Number |
19890118
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松井 毅 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 特任講師 (10452442)
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Keywords | 重層扁平上皮組織 / 上皮組織 / 癌 / 分泌蛋白質 / ノックアウトマウス / 発現解析 / 大腸癌 / 皮膚 |
Research Abstract |
重層上皮組織の重層化・上皮化を研究する事により、上皮全般の形成・維持機構を理解し、更には癌の重層化や転移・浸潤機構を理解する事を目的とした。具体的には機能未知重層上皮特異的分泌蛋白質であるDermokineのisoformが癌細胞・組織においてどのような発現を示すのかを解析した。まず、様々な大腸癌細胞株におけるDermokineの発現状況を解析する事により、約半分の大腸癌細胞株おいてDermokineが発現している事が明らかとなった。また京都府立医科大学消化器外科部門との共同研究により、大腸癌組織における抗Dermokine抗体を用いた染色法の条件検討を行い、高感度系を用いる事により癌特異的に発現するDermokineの発現状況を確認する事ができた。また定量的RT-PCR,Northern blottingを行う系の構築を行い、臨床検体や癌細胞株における発現量の定量的解析を行っている所である。以上の解析を様々な固形癌に対して施行する事により、どのような癌にDermokineが発現しているのかが臨床的知見と供に明らかになる可能性がある。更に、Dermokine誘導発現が可能であるtet-off DLD1細胞に対してDermokine isoformを発現させたstable transfectantを作成し、現在その機能解析中である。一方、Dermokineノックアウトマウスはクリーン化を行いSPF環境下において交配を行い始めている。このノックアウトマウスにUV照射等を行う事により、Dermokine欠失により癌化の形成にどのような影響が現れるのかどうかを解析する準備を行っている。これらの結果が得られる事により、Dermokineの発現が癌細胞に及ぼす影響が明らかになる事により、新規診断薬や創薬標的分子としての応用性研究へとつながる可能性がある。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Deficiency of ZO-1 Causes Embryonic Lethal Phenotype Associated with Defected Yolk Sac Angiogenesis and Apoptosis of Embryonic Cells2008
Author(s)
Katsuno T, Umeda K, Matsui T, Hata M, Tamura A, Itoh M, Takeuchi K, Fujimori T, Nabeshima YI, Noda T, Tsukita S, Tsukita S.
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Journal Title
Peer Reviewed
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