2008 Fiscal Year Annual Research Report
重層上皮研究に基づいた上皮形成・維持機構と癌化の分子機構
Project/Area Number |
19890118
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松井 毅 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 特任講師 (10452442)
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Keywords | 皮膚 / 分化 / 癌 / 大腸癌 / 分泌蛋白質 / 上皮 |
Research Abstract |
機能未知重層上皮特異的分泌蛋白質DermokineはBST情報から、様々な癌細胞に高発現する事も明らかとなっている。しかし、その高発現がどのような影響を癌細胞に及ぼすのかは明らかになってはいない。そこで、この重層上皮組織と癌組織の両者に発現する新規分子であるDermokineの解析を足がかりに、重層上皮の形成・維持機構から上皮全般の形成・維持機構を、更には、癌化の分子機構を理解する事を試みた。 1、癌細胞株におけるDermokineの発現状況の解析 大腸癌、胃癌、肝臓癌、食道癌細胞株において、Dermokineの発現状況を特異的に検出した。その結果、幾つかの細胞株において分泌型が、高発現している事を明らかにした。 2、癌組織におけるDermokineの発現状況の解析 消化器癌組織(大腸癌、胃癌、肝臓癌、食道癌)臨床サンプルにおけるDermokineの種類を、定量的RT-PCR法を用いて特異的に検出した所、細胞株と同様に分泌型Dermokineが高発現している事が明らかとなった。そこで、Dermokineに対する特異的抗体を作成し、免疫組織化学染色による局在解析を行った所、早期癌の多層化状態において発現している事が明らかとなった。 3、診断マーカーとしての応用性の検討 癌に発現していたDermokine遺伝子を用いて大腸菌において蛋白質を発現するベクターを構築した。大腸菌において大量精製した蛋白質をウサギに免疫し、抗Dermokine抗体を作成した。その抗体を用いた免疫染色によると、早期癌の多層化状態においてDermokineが発現している事が明らかとなった。またELISA系を構築して早期大腸癌の血清検査系が可能になった.
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 新規分泌型サイトカインDermokineを用いた新しい早期大腸癌血清診断法の開発と臨床応用2008
Author(s)
菊池正二郎, 田儀知之, 松井毅, 喜住文枝, 井田曜子, 今井俊夫, 星佐知, 片山政彦, 中西芳正, 岡本和真, 落合登志哉, 國場幸均, 大辻英吾
Organizer
第67回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
名古屋(名古屋国際会議場)
Year and Date
2008-10-29
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