2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝胆膵領域悪性腫瘍の化学療法抵抗性に対するアポトーシスの役割
Project/Area Number |
19890122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 省吾 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (30452436)
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Keywords | 肝胆膵領域 / 悪性腫瘍 / 化学療法抵抗性 / アポトーシス / ゲムシタビン / 5FU |
Research Abstract |
肝胆膵領域悪性腫瘍の化学療法抵抗性に対するアポトーシスの役割を探るために、まず、肝胆膵領域の癌細胞7種とそれ以外の部位の癌細胞2種(肺・胃)について化学療法抵抗性とアポトーシスの関連性について探った。特に治療法の確立していない胆道癌に対しての研究を進めるため、胆道癌で認可されているゲムシタビンと5FU系薬剤を中心に検討を行った。まずは化学療法抵抗性を検索するために、各薬剤についてのIC50を求めるために、MTTアッセイを起こった。胆道癌細胞では他の癌種よりもGEM抵抗性であり、5種類の細胞株のうち、半数以上がGEM抵抗性を示した。 続いて薬剤投与濃度を決定し、アポトーシスとの関連性を探った。胆道癌細胞では他の癌種と異なり、胆道癌ではゲムシタビン抵抗性とアポトーシスが関連していることがわかった。残念ながら5FU系薬剤との関連はなく、胆道癌以外の癌種、すなわち膵癌・肝臓癌・肺癌・胃癌でのゲムシタビン抵抗性・5FU抵抗性とアポトーシスの関連性も示されなかった。 さらにそのメカニズムとしてBcl-2ファミリー、IAP、CaspaseやCell Survival Signalについて解析を行ったところ、Bcl-2ファミリーのうち、ある2種類の蛋白が関連していることがわかった。この関連性については胆道癌以外の癌種では認められなかった。今後はこの2つの蛋白の他の蛋白との関連性、また、胆道癌でのRegulationについて探る予定である。
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