2008 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣明細胞癌に対するmTORを標的とした分子標的治療の可能性の検討
Project/Area Number |
19890125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬淵 誠士 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (00452441)
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Keywords | mTOR / 卵巣明細胞腺癌 / Cisplatin / Trabectedine / RAD001 |
Research Abstract |
平成19年度の研究により、(1)卵巣明細胞癌の90%以上にm TORが活性化している。(2)卵巣明細胞癌におけるmTORの活性化頻度は漿液性腺癌と比べ有意に高い。(3)現在臨床試験の段階であるmTOR阻害剤RAD001はG1 arrestを介して卵巣明細胞腺癌細胞株の細胞増殖を抑制する。以上のことが証明された。 これらの結果に基づき、平成20年度は、(1)In vivoにおけるRAD001の抗腫瘍効果、(2)明細胞腺癌のcisplatin耐性化機構におけるmTORの役割、(3)RAD001と新規抗癌剤Trabectedineの併用効果に焦点をあて研究を行った。これらの研究を行う為に、既存の卵巣明細胞癌細胞株から、持続暴露法によりシスプラチン耐性細胞株を樹立し、これらを研究に使用した。その結果、(1)RAD001はヌードマウスを用いたIn vivoに研究において著明な抗腫瘍効果を示す。(2)Cisplatin耐性卵巣明細胞癌細胞株は、感受性株(親株)と比べてmTORの活性化が有意に強い。(3)RAD001のCisplatin耐性細胞に対する抗腫瘍効果は、感受性細胞に対する抗腫瘍効果より有意に強い。(4)RAD001はTrabectedineの抗腫瘍効果を相乗的に増強する。以上の4点を見出した。上記の結果(1)-(3)は既に論文として現在米国の癌専門雑誌Clinical cancer Researchに投稿を済ませている。結果(4)に関しても、現在論文を作成している段階であり、近日中に投稿できると考えている。
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Research Products
(2 results)