2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890143
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
尾上 富太郎 The University of Tokushima, 医学部・歯学部付属病院, 医員 (90452648)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 癌幹細胞 / CD133 / CD44 / CD24 |
Research Abstract |
当研究室にて樹立された4種類の口腔扁平上皮癌細胞株(BHY、HNt、IH、B88)に存在する癌幹細胞を、幹細胞マーカーとして一般的に用いられているCD133を指標にflow cytometryにより確認した。その結果、CD133陽性細胞は検討したいずれの細胞においてもごく少数(0.1〜3.9%)しか存在しておらず、分離培養や今後の解析が困難であることが予想された。そのため、乳癌、膵臓癌などの他の固形癌において癌幹細胞の細胞表面マーカーとして用いられているCD44陽性/CD24陰性細胞群の存在をflow cytometryにより確認した。その結果、CD44陽性/CD24陰性細胞群は、これらの口腔扁平上皮癌細胞中に3.49〜74.84%の割合で存在していた。これら細胞群の割合はヌードマウス腫瘍原性能の高いB88細胞では74.84%と高値であり、腫瘍原性能の低いHNt細胞では3.49%と低値であった。すなわち、その割合は腫瘍原性能を反映している傾向にあった。 以上の研究結果から我々が保有する4種の口腔扁平上皮癌細胞株から癌幹細胞を分離培養し表現形質を解析するには、CD44陽性/CD24陰性細胞群の使用が適切であることが明らかとなった。 現在、CD24陰性細胞群のnegative selectionとCD44陽性細胞群のpositive selectionをmagnetic cell sorting(MACS)法を用いて行い、分離された細胞群における表現形質(細胞増殖能、腫瘍形成能、抗癌剤・放射線感受性)について解析中である。
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