2008 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌撹乱物質曝露による生殖障害発現機序とエピジェネティクス
Project/Area Number |
19890144
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
割田 克彦 Kagawa University, 医学部, 助教 (40452669)
|
Keywords | 生殖内分泌 / 内分泌攪乱物質 / 下垂体 / ライディッヒ細胞 / エビジェネティクス / StAR遺伝子 / 精巣 / ステロイドホルモン産生系 |
Research Abstract |
本研究では合成エストロゲンDiethylstilbestrol(DES)がライディッヒ細胞に与える直接的な影響を解析し,エストロゲン様内分泌攪乱物質とステロイドホルモン産生系遺伝子のサイレンシングとの関連性を検討した.その結果,コレステロールをプレグネノロンへと変換する側鎖切断酵素P450scc遺伝子の発現がDESの曝露量に相関して減少し,さらにChIP assayにより,この遺伝子領域のヒストン脱アセチル化が示され,mRNAの発現低下が裏付けられた.興味深いことにDESと同等の力価を有する内因性エストロゲン17β-estradiol(E2)の曝露ではヒストン脱アセチル化が引き起こされず,ヒストン修飾への影響は,合成エストロゲンと内因性エストロゲンで異なることが示された. 合成エストロゲンと内因性エストロゲンがライディッヒ細胞に与える影響の差異を詳細に検討するため,マイクロアレイ解析から遺伝子発現プロファイルを取得し,Gene Ontology(GO)による分類と機能的解析により生物学的解釈を行った.その結果,GO分類からの遺伝子セット解析(Z-test)で,『apoptosis』や『regulation of programmed cell death』に該当する遺伝子群が,E2曝露で有意に発現上昇していたのに対し,DES曝露では有意に発現減少していることが示された.また,GO分類『DNA repair』に属する遺伝子群の発現はDES曝露とE2曝露のサンプル間に有意差はみられず,これらの事象を鑑みると,細胞ストレスに対してDES曝露細胞ではアポトーシスが起こり難く,かっDNA修復機構も惹起され難い,すなわちライディッヒ細胞の癌化に繋がる合成エストロゲン特有の影響と推察された.
|
-
-
-
-
[Presentation] Epigenetic abnormality of SRY gene in the XY female with pericentric inversion of the Y chromosome2008
Author(s)
Mitsuhashi T, Warita K, Sugawara T, Tabuchi Y, Takasaki I, Kondo T, Hayashi F, Matsumoto Y, Miki T, Takeuchi Y, Ebina Y, Sakuragi N, Yokoyama T, Nanmori T, Kitagawa H, Hoshi N
Organizer
21th European Congress of Perinatal Medicine
Place of Presentation
Istanbul, Turkey
Year and Date
20080910-13
-
-
-
-